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Nintendo Switch「キューピット・パラサイト」感想

Nintendo Switch「キューピット・パラサイト」の感想です。  

 

 

 

 

 

作品概要 

キューピット・パラサイト

キューピット・パラサイト

  • 発売日: 2020/08/20
  • メディア: Video Game
 

機種: Nintendo Switch

作品名: 「キューピット・パラサイト」

CERO: D(17才以上対象)

あらすじ: ロサンヨークの結婚相談所キューピット・コーポレーションで働く主人公の正体は実は本物のキューピット!父親のマーズ神に人間の素晴らしさを認めてもらうため、人間界にやってきて人として縁結びをしている。出世のためにも、会員の中の最大の問題児Parasite5を結婚に導こうとするが…?

 

 

参考情報

キャラ別タイプ

・主人公(CV:無し)…一生懸命、純真、鈍感

・ギル・ラヴクラフト(CV:木村良平)…一途、過保護、愛が重い

・シェルビー・スネイル(CV:KENN)…年上、合理主義、生真面目

・ラウル・アコニット(CV:八代拓)…遊び人、天真爛漫、オタク

・螢彩院・F・琉輝(CV:榎木淳弥)…年下、無愛想、照れ屋

・アラン・メルヴィル(CV:古川慎)…純粋、執着、過去の出会い

・隠しキャラ ジュピター(CV:岡本信彦)…臆病、優しい、ウブ

 ※ネタバレにつき隠しキャラは白字。見たい場合は文字色反転してください。

 

攻略推奨順

 ギル・ラヴクラフト→シェルビー・スネイル→螢彩院・F・琉輝→ラウル・アコニット→アラン・メルヴィル→隠しキャラ
 (攻略制限あり。)

 ※真相の解明内容から上記順番がおすすめ。

 

オススメポイント

 ・ビビッドカラーが目を引く、アメリカンポップでお洒落な世界観やイラスト!

 ・Parasiteの問題児から神様達まで個性派揃いで、衝撃の展開も楽しみなラブコメディ!

 ・人の恋を応援するキューピットが自分の恋に目覚めるストーリー!

 ・細部までこだわった画面デザインやBGMが雰囲気を盛り上げる!

 

攻略目安時間

 フルコンプまで35時間程度
 (エンド数共通3、ギル4、シェルビー5、ラウル4、螢彩院5、アラン4、隠し1)
  ※ボイスをある程度飛ばしてプレイする場合

 

糖度

 かなり甘め(同居、甘いデート、朝チュン等の大人の恋。)

 

難易度

 普通
 (様々な条件でエンド分岐するが、フローチャートのおかげで漏れなくエンド回収しやすい。)

 

評価 85/100

 アメリカンポップな雰囲気が特徴のラブコメディ。結婚できないダメンズと人間としては未熟な主人公が、お互い成長し恋に発展していく。結婚相談所の人間が会員と恋愛する事に抵抗感あるかもしれないが、一応その点は工夫してある。主人公は他人の縁結びに精を出す一方、当事者意識がなく好意に鈍感である。しかし、正体がキューピットで人間ではないからこそ、自身の恋愛は考えておらず鈍感な理由も納得しやすい。なお、笑える要素だが、下ネタがそこそこ出てくるのでNGな方は注意。

 隠しキャラを除き、ストーリーが途中分岐して各キャラのエンドは5つ前後あって、甘く幸せなハッピーエンドはもちろんのこと、突拍子もない展開に腹を抱えて笑えるものから、少し切ないものまで様々な結末が用意されていて楽しめた。そのうえ、フローチャートからエンド分岐場所が分かって回収もスムーズだから、コンプリート意欲も湧く。

 プレイ画面からオプションの細部まで凝ったデザインで、BGM含めて雰囲気がとても良い。その代わりにシステムが全体的に少し重いものの、フローチャートと選択肢ジャンプ機能等を活用すればフルコンプリートは容易い。

 

 

感想(ネタバレ注意)

ストーリー感想

 突っ込みどころ満載でユーモラスな作品なのに、意外と甘さもバッチリ、ストーリーも各キャラ十分なボリュームあって大満足。隠しキャラのみ選択肢無しでエンドは1つしかなくても、メインキャラと大して変わらない長いストーリーに仰天。ハーレムエンドがわざわざ2つもあったり、突如脈略ないぶっ飛んだ爆笑エンドがあるのも乙女ゲームには珍しくて良かった。切なくどこか哀しいエンドもありつつも、あっさり何かで死ぬとか嫌な気持ちになるようなバッドエンドが無いのが、最初から最後まで楽しめた最大の要因かも。2周目以降は導入が少し変化する等、細かいところまで力が入っている。

 隠しキャラ含めて6人の攻略キャラがいるが、意外にも半数は主人公へ元々好意を抱いており、しかもそのうち2人は数百年越し。なのに主人公はキューピットの役目から他人の恋ばかり気にかけているせいで、自分がこうして誰かから一途に思われてるなんて全くの想定外。乙女ゲームに鈍感な主人公は多いけれど、本作は設定からして納得しやすかった。他にも人間界に来てまだ6年だからどこか子供っぽい純粋さを残していたり、神として内心人間を侮って無防備だったりするのも、それぞれちゃんとした理由があって受け入れやすい。 

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↑5人にキューピットの矢を撃ってみたらハーレム状態に。つまり各ルートで主人公と結ばれなかった人達は結婚できずに一生を終えるのだろうか。

 

 

イラスト感想

 イラストは全体的に綺麗。文章はそこまで濃厚ではないのに、キスシーンのスチルでは表現や表情が妙にエロく感じるイラストが多くてドキドキする。見てはいけないものを見てる気分。また、ストーリーでは服を脱ぐシーンが頻繁にあって、皆ガタイ良くて外国人らしい?なあと思った。水泳選手のような見事な逆三角形の体型。

 そして、イラストレーターの好みなのか、仕上げた方のこだわりなのか分からないが、スチルによってはエフェクトが強め。個人的には線画が二重になってると目が疲れ、パッケージもボヤボヤして印刷失敗してるように見えるので、もう少しシンプルな方が好きかな。この点は好みに左右されるところ。

 背景やオプション画面まで可愛くポップなデザインに統一してあって、架空の街ロサンヨークのオシャレな雰囲気が感じられてとても良かった。しかも全てが派手に装飾されたUIやゲーム画面でも、意外と目がチカチカすることはなかった。

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↑トップ画面からも一目瞭然なポップで明るい雰囲気。

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↑メニュー画面もおしゃれ。

 

 

システム感想

 ラブタイプのアンケートによるテストは結婚相談所っぽさがあって面白い。ただし、攻略のため頻繁にラブタイプを変えなくてはならず、共通ルートで何度も同じ選択肢を見なくてはならないことを考えると、共通ルート序盤ではなく最後の位置にするか、プレイ中に好感度画面から自由に変更できると嬉しかった。2周目以降はアンケートに答えずに、好きにラブタイプを選択できるのは楽で良い。

 フローチャートはエンド数の把握と回収に役立って便利だった。フローチャート画面から過去に戻ってやり直せるから、セーブを頻繁にしなくて済むのは気も楽。

 スキップは立ち絵が切り替わるたびに遅延するせいで最高速度でも遅いのは残念だが、次の選択肢へジャンプ機能があるのはありがたかった。ただ、毎度待ち時間が少し掛かるのと、ゲーム終盤次の選択肢操作が無くなった時点でジャンプできなくなるのは解せない。全体的に画面の遷移も遅く、色々と細工や演出が施されたシステムやSEが重いのかもしれない。

 その他細かいところではセーブやロード等の画面から、ストーリー画面に戻るのに1回Aボタンの操作が求められてBボタン連打がダメだったり、Lスティックでバックログを出した後はLスティックが反応せず十字ボタンでカーソル操作することになったり、所々配慮が足りないところがある。とても面白いゲームなのに、システム面でストレスを感じさせるのは非常にもったいない。プレイ自体には問題ないとはいえ、今後改善されると嬉しい。

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↑ラブタイプテスト。試しに攻略考えず、自分の心のままに回答してみては?

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↑愛キャッチシステム。ハートの大きさは3種あって、好感度の上昇数値も異なる。

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↑ステータス画面で好感度と自身のラブタイプを把握できる。

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フローチャート。イベント再生もフローチャートからの選択形式が良かったなあ。


  

キャラ別ストーリー概略&感想(ネタバレ注意)

ギル・ラヴクラフト

 ギルは主人公が初めて人間界に降りた時のシェアハウスの相手で、色々と人間生活を教えてくれた大事な友人だった。ギルはずっと主人公に想いを抱いていたのに全く相手にされず、離れても気持ちを全く吹っ切れなくて失恋パラサイトとなっていた。テレビ番組の企画を通じてParasite5と共同生活を送ったことで、主人公は改めて彼の才能と優しさを実感する。

 自分を男として磨くためにギルはキューピット・コーポレーションの会員を退会する。残念に思った主人公は食事に誘って待ち合わせに遅れてしまったところ、心配していたギルから思いっきり抱き締められる。回想と合わせ、ようやく主人公はギルの気持ちに気付き動揺するも、ギルが一時的に今の住まいから追い出されたため、主人公は友人のクラリスとの家に彼を招いてまた一緒に暮らすことになる。

 ギルは主人公の好みのタイプが夢を追いかける人だと聞き、過去目指していた車の情報誌の記者となる。以前と違い激務で会えなくなったことで、主人公は寂しさだけでなくギルへの恋心を実感する。両思いとなった2人は結ばれるが、主人公やキューピット・コーポレーションを誹謗中傷する内容のギルのメールを見て、主人公は家を飛び出し天界へ帰ってしまう。ギルは誤解に気付き、必死に探すが…?

 

 ラヴクラフトと言えばクトゥルフの生みの親!…なのはどうでも良くて、作中でも話題に上がった通り「愛をつくる」ファミリーネームに違わず、随所から伝わってくるギルの一途な愛が重い!エンドの1つ、ギルがひたすら甘やかして、どれだけ主人公がぶくぶくに太っても怠惰になっても、むしろ自分を求めてくれるからと一層愛する姿は真の一途だと思った。これほど尽くしてくれると、こちらもかなりの自制心待たないと本当に駄目人間になりそうで危険。

 終盤は車が空が飛べて意志を持って動いたり、変形してロボット化できたり、超展開でぶっ飛んでて笑った。特に威厳あるマーズを堂々と父親呼びし、隠し撮りした大量の主人公の写真を見せてのろけるシーンは、あのマーズすらドン引きしてて大爆笑だった。主人公は初恋のせいでどこかうっとりしてるし笑。

 ギルは毎日長文のラブレターをこっそり書いて、主人公の好みに合わせて何もかも尽くし、気持ち悪いの一歩手前な人物だが、ストーカーのような犯罪にはならないようにセーブしており、一線は守ってくれているおかげでラブコメディとしても恋愛対象としても受け入れやすかった。人間のことを何も知らず赤ちゃんのような純真無垢な主人公と2人きりの生活になるだなんて、惚れちゃう気持ちは十分に理解できる。なお、ギルは見た目からすると大人しそうで草食系かと勘違いするけど、ヘタレではあっても実際には積極的で両思いになった途端押し倒す肉食系だったのが意外だった。

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↑恐怖を感じる程に何から何まで喜んで尽くしてくれる。


 

シェルビー・スネイル

 テレビ企画のParasite5共同生活後も唯一会員として残った、秘書のオーウェンを代理に活動する地位パラサイトのS氏。正体はキューピット・コーポレーションの社長シェルビーで、愛妻家と世の中に勘違いされ、やむを得ず自社のサービスを使って密かに婚活していた。シェルビーは取引先へ嘘がバレそうになった結果、主人公へ秘密を打ち明ける。

 そこで主人公の提案から偽装夫婦の契約を結び同棲生活を送ることにするが、シェルビーのあまりの仕事人間っぷりに生活が噛み合わない。それでも取引先に夫婦関係を怪しまれたために次第に歩み寄り、盗撮犯へ見せつけるよう抱き合った時には互いを意識するようになっていた。だが、主人公が記事のネタにされかけて、シェルビーは記者会見を開き独身であることを公表した。

 会社へのイメージダウンはなく、むしろシェルビーの誠実な態度に彼目当ての婚活女性の入会が増えた。シェルビーは休会して主人公をデートに誘うも、邪魔が入って告白できずに終わる。さらにはギルとの関係を勘違いして、主人公との夫婦契約を打ち切り、2人の間に溝ができてしまう。そんな中、ライバル企業のロミジュリ・ウェディングがキューピット・コーポレーションを貶めていたことが発覚し、しかも黒幕の1人はオーウェンで…!

 

 年上で今までも恋愛はしてきたはずなのに仕事ばかりだったせいで、久しぶりの恋に普段は冷静なシェルビーが動揺を隠せなかったり、照れたりとても可愛らしかった。そして、SSはランクを示す言葉だけど、名前のイニシャルらしさあふれる超努力家。程度は違えど仕事好きなのは主人公も同様で、結構お似合いの2人だと思う。主人公の言葉に素直に従うシェルビーは結婚後尻に敷かれてそう。でも、大概のことはSSにこなしてとても頼りになるので、不安は全くない。

 オーウェンも相当な変わり者だと思っていたら、案の定婚活中でParasite6になっていたとは…。攻略対象になっても良い程の見た目してるから、エンドの1つくらいは主人公とくっ付くか、シェルビーとライバルになるものがあっても良さげ?洗脳されたオーウェンは可哀想だったけど、主人公からお仕置きされて30日もロボット掃除機を愛し続けるマーズ神の絵面がかなりヤバかった笑。無機物まで愛せるようになるキューピットの矢の効果怖すぎる!

 また、ラウルとトレジャーハンターになって冒険を始めるエンドにはしばらく笑いが収まらなかった。マーズ神の思い通りにはならずに主人公は神界には戻ってないけど、あの神話文字は結局何だったんだろう。他のエンドでも主人公は失恋からパリコレモデルになってて、奇想天外なオチばかりだった。

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↑秘書オーウェンの溜まりに溜まった鬱憤を晴らすシーンは大注目!

 

 

ラウル・アコニット

 演技に活かすために恋を学ぼうと入会していたのに、主人公と神話トークができることに大喜びな趣味パラサイトのラウル。テレビ企画終了後、キューピット・コーポレーションを一旦退会したが、結局恋愛の演技が上手くいかず、入り直してさらには主人公から現場まで付きっきりで指導を受けることになる。有名なシリウッド俳優の彼は多くの女優と身体の関係を持っており、早速主人公を誘ってくる。

 主人公は初めて快楽を知って悩むが、ラウルが遊びの恋ばかりだから深い演技ができていないのは確実で、今後は軽い付き合いをしないよう注意する。ラウルは関係を持っても態度が変わらない主人公に関心を持ち、指導に真面目に従うようになる。徐々に恋の演技が上達するもあと一歩が足りず、デートした会員女性からストーカー被害に遭ってしまい、主人公は彼を助けるためキューピットの矢の力を使う。

 昔ミネルヴァ神に救われたことがきっかけでラウルは神話好きになった訳だが、今回も同様に神に助けられたことに感激する。だが、正体がバレた後も態度が変わることのないラウルに主人公は好意を抱く。長期休みとなった2人はギリシャの遺跡発掘に向かうと、穴に落ちて遭難してしまう。ようやく出口に着いたと思いきやそこは神界で、ミネルヴァ神が主人公の矢を奪ってラウルに放つと、ラウルの前世アレキサンダー大王が身体を乗っ取り、ミネルヴァ神と共に人間を滅亡させようとして…?

 

 遺跡発掘以降の怒涛の超展開が凄かった。どうして素っ裸になったスター俳優がマンティコアパンクラチオンしてるんだ笑!エンドによっては、人を滅ぼそうとするアレキサンダー大王vs.止めようとするジュピターで人間界が危機に陥っており、世界を巻き込んだ最悪な状況に。本ルートでは、主人公に親切にしてくれたミネルヴァの思惑が判明して、やはり神様は一筋縄ではいかない厄介な存在であることを思い出させてくれた。そして、キューピットは代替わりするから少年等色んな姿が語られてきた、というのは面白い設定だった。

 また、ラウルは共通ルートの時点で女慣れした雰囲気が漂っており、個別ルート入ってすぐに一線を越えてしまい衝撃を受けた。18禁さながらのスピード。ただ、身体の関係から始まる恋愛とは少し違うものの、こうしなければラウルの心も開けなかったようなので仕方ない…のかな?2回目もあっさり許してしまい頭を抱えてしまったけれど、以降は主人公もガードが固くなって安心した。そもそもギリシャ神話自体に爛れた関係が多いのがいけない。

 作中でラウルが死に掛けていた通り、オイスター(サタン)は食べ過ぎは厳禁。実際に牡蠣を食べ過ぎてトイレに篭りまくった人の話を聞いたことがあったせいか、食べはするけど個人的に牡蠣は苦手。可愛い女性主人公がオイスターにあたって嘔吐し続けるなんてこのゲームくらいだろうなあ。その時のラウルの心変わりというか、オイスター(サタン)への信仰心には笑っちゃうが。主人公を心配して欲しかったよ。

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↑幼い頃から過酷な生き様を送ってきたが、思えば前世も関係しているのかも。

 

 

螢彩院・F・琉輝

 螢彩院は外見パラサイトで見た目に厳しく、主人公を顔面偏差値55とし最低限の会話しかしてくれない。彼はデザイナーとして成長して祖母に認められるために、恋を知りたくてキューピット・コーポレーションの会員になっていたが、テレビ企画での共同生活終了後は退会していた。主人公はその後、服装やメイクの見立てに優れる螢彩院に度々仕事でお世話になる。

 螢彩院は主人公をモデルにデザインを重ね、自身のブランドに女性向けラインを新設し、婚活女性のメラニーと相手のオーウェンのデート服を螢彩院がコーディネートする。ついつい彼らが気になった主人公と螢彩院は陰からデートを見守っていると、うっかり熱いキスを見てしまい互いにドギマギしてしまう。しかも、螢彩院は主人公だけが以前よりも可愛く見えるようになり、自身の美的感覚が崩れたのではないかと不安になって、根を詰めて倒れてしまう。

 メラニーの一言で螢彩院は恋を自覚し、次々にデザイン案が浮かびスランプを脱する。そこへギルが主人公へ告白するところを目撃し、螢彩院は焦りから主人公へ強引なキスをする。そして、主人公に振り向いてもらうためにデートして告白の返事を数日待つ。主人公は悩んだ結果、彼と一緒になりたいと人間になることを決意する。仕事で螢彩院の作ったウェディングドレスを着た主人公は、勝手に彼の婚約者を決めた祖母を2人で説得しに行くが…?

 

 可愛すぎる笑顔が反則…!年下なのに失礼にも最初は無愛想にミスト攻撃(本人的には肌への保湿)してきた彼が、中盤からは次第に優しくなっていき、恋を自覚できた終盤では笑顔で主人公を可愛いと連呼して溺愛してくる。前半と後半のギャップがたまらない。こんなにも純粋に想いを伝えてくれる螢彩院をこちらも好きにならないわけがない!…が、なんでエンドの1つにキッパリ振る選択肢があるんだ。見るの辛かった。

 祖母の選んだ顔面偏差値最高の女性は案の定主人公の母親ヴィーナスで、さすが愛と美の神、顔面偏差値100笑。祖母は螢彩院の話だと厳格で自由を許さないイメージだったが、蓋を開けてみれば親戚の陰口が酷かっただけで、自由奔放な家族を認めている優しい人だった。厳しいもののしっかり褒めてくれるとも言っていたから、螢彩院の説明に間違いは無かったけどね。真実を知ると、祖母から逃げて中途半端に駆け落ちを選択したエンドは、やるせない気持ちになる。

 スチル見てると、エッチに見えるものが多い気がする。マッサージとヨガのシーンは、本人的には邪な気持ちは無いけれど、端から見るとかなりヤバイ。ラストのキスシーンは思いっきり舌出してるし、年下と侮ってはいけないようだ。

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↑出会った当初は辛口だった彼が、笑顔で可愛いと言ってくれるなんて。

 

 

アラン・メルヴィル

 アランが略奪パラサイトなのは、悪魔のインキュバスで人の夢を糧にするためだった。テレビ番組後に多くの会員女性を誑かしたせいで、キューピット・コーポレーションを強制退会させられていた。その後も多くの女性がアランのせいで婚活を止めてしまい、アランの正体を知った主人公が自分の夢を食べさせても、相変わらず他の女性へ手を出す。そこで主人公は彼を改心させようとキューピットの矢を撃ったところ、誤って自身を刺してしまう。

 主人公はアランを好きになってしまい、矢の効果が切れるまで30日間限定で付き合うことになった。主人公は予想外にもとても優しいアランを本心から好きになり、アランも昔の主人公を知っているかのようで想いを止められなくなって2人は結ばれる。だが、悪魔の身体は神の力を吸い取ってしまい主人公は次第に弱っていく。元々キューピットの寿命があと少ししかなかったのが、残りわずかになってしまった。だからアランは元々主人公を他者と恋愛させ、人間化させようとしていたのだった。

 アランは主人公の魂を抜き取り、人間の赤ん坊に移して他の悪魔達から守りながら20年成長を陰から見届ける。しかし、悪魔のせいでプールで溺れた主人公を救った折に繋がりが生まれ、主人公は記憶を取り戻しキューピットとして蘇ってしまう。そこへジュピター神が主人公を連れ去り、ジュノー神として結婚させられそうになり…?

 

 最初から最後までめちゃくちゃ甘い!幸せな夢をずっと見てる気分だった。見た目や雰囲気、そして略奪パラサイトで悪魔だから、主人公はひたすら遊ばれるのかと覚悟していたら全然違った…。人外だからこそ、悪魔となっても何百年もずっと主人公のために生きてきて、魂を移し替えた後も陰から守り続ける。いくら大事な¨対¨とはいえ、ギルに負けないレベルの一途な愛にビックリ。パッケージに主人公+この2人が選ばれた理由がなんとなく分かった。

 他の4人のメンバーと違い、ストーリーは全体的にシリアスだった。ギルのすれ違いまくる恋愛はラブコメらしく笑えたけれど、非常に年季入ってるアランの愛には笑える場面なんて到底入れられない。元々が天使だからか悪魔になっても純粋だし、もし1度でも心折れたらずっと地面に埋まってそう。上級悪魔になるため、どんな事をしてきたのかは気になる。主人公がサキュバスになるエンドは、見た目がとてもセクシーで可愛かったなあ(アランは内心複雑だろうけど)。

 本ルートでは、天使の生態や神の成り立ちが明かされ、実は主人公がこのままキューピットでいても寿命は長くないことが分かる。結局天界から家出して正解だったんだね。ジュピターも悪い人ではなさそうで、色々と事情が明かされて面白かった。にしても本作品は、共通ルートでシェルビーがS氏であることや、アランが人外のサキュバスであることを早々にバラしており、ありきたりな正体を探ることが話のメインではないのが素晴らしい。

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↑アランが頑張って主人公へ悪魔の恐ろしさを伝えようとしても…。

 

 

隠しキャラ

 ジュノー神が消えて人間の婚姻率低下が問題となり、ジュピター神の命で主人公は人間界の大学に通って人間や愛について学ぶことになる。護衛用の神獣ちーちゃんと共に、新たに知ることが多くて楽しい日々を送る。実はジュピター神は神界に主人公や自分を狙う者がいることを感じ取り、ちーちゃんに変身して主人公の側にいる意味には身の安全確保も兼ねていた。

 主人公はキューピット・コーポレーションへのインターンが決定し、同期のピーターは女性が苦手で些細な事で驚いては逃げ回る。婚活パーティーで主人公はついキューピットの矢を使ってしまい、ピーターに誤って刺さり惚れられてしまう。ちーちゃん=ピーターだと気付いた後には、人間の姿で家でも外でも主人公にべったり。主人公はキスを受け入れ、自分も彼が好きになっていた事を自覚する。

 アランのおかげで神界の裏切り者が分かるが、新たに人間界に怪しい予感がしてピーターは一層恐怖する。彼は周囲から過敏パラサイトと呼ばれ、Parasite6のメンバーに加わる。そして、ピーター=ジュピター神だと分かった一方、ゼウス神がジュノー神によって蘇ってしまう。ゼウス神とジュピター神は双子の兄弟で、今も昔もゼウス神は神を全て吸収と人間界の支配を企んでおり、2500年前に12神が協力して封印していたのだ。全知全能のゼウス神は神界を荒らし、主人公を連れ去る。そこで愛が弱点のゼウス神を倒すためParasite6が集結し…!

 

 やっぱりちーちゃん=ピーター=ジュピターだった。友愛とはいえ主人公が天使だった頃から気にかけ、死なないよう色々考えてくれてたとは。主人公が多くの人や神、悪魔から愛され、守られていたことを実感する。ジュピターは危機察知能力に長けているせいで、臆病で普段は頼りないのに、責任感は人1倍強く主神としていざという時には他の神々を率いて戦う姿は格好良かった。実際には1人こっそりウジウジ悩んでいるのだから支えてあげたくなる。しかし、どの姿でも「ちぃ」が口癖になってるあたり、ちーちゃんの姿が馴染みすぎてないか?

 神話で語られる姿から程遠い性格のジュピターだったが、ゼウス≠ジュピターで、兄のゼウスこそまさしく我々のイメージ通りに奔放で迷惑な人物だった。主人公を食べるのに下半身ボロン!は下品でもゼウスらしくて、苦笑いするしかない。ただParasite6のメンバー達はゼウスの一物を見て感動しないでくれ!ピンチなはずなのにシリアスさが一切感じられない笑。

 とはいえ終盤は世界を守るために神々もParasite6達もそれぞれの力を発揮し、これまで学んできたアガペ〜ストルゲ6種の愛が活かされ、キューピットの矢が格好良く決まる熱い展開だった。なお、本ルートに至るまでに5人のキャラと奇想天外なオチや様々な試練を乗り越えてきたおかげか、気付けばどんな事が起きても動じなくなってる自分がいた。皆で一致団結、ラストに相応しい終わり方だったと思う。

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↑ちぃ。※決して舌打ちではない


 

攻略情報

 攻略制限があり、ラウルとアランは2周目以降攻略可能で、5人クリア後にはじめからスタートするとジュピタールートが選択可能になります。ちなみにベストエンドである必要はなく、ベスト1つ手前のエンドでもクリア扱いされます。

・共通ルートのエンド

ラブタイプがストルゲでエンド1つ目(セミナー・パラサイト)。

選択肢分岐「SNSの違反報告を選ぶ」でエンド2つ目(さよならロサンヨーク)。

選択肢分岐「キューピットの矢を使う」でエンド3つ目(ハーレム・パラサイト)。本選択肢はギル、シェルビー、ラウル、螢彩院4人のベストエンド達成後に追加されます。

・ギル・ラヴクラフトのエンド

好感度40以下でエンド1つ目(これも1つのハッピーエンド?)。

ラブタイプがルダスでエンド2つ目(365通のラブレター)。

好感度85以上&ラブタイプがアガペでベスト(怖いぐらいに、いつまでも)、条件を満たさなければエンド3つ目(A HEART FULL OF LOVE)。

・シェルビー・スネイルのエンド

選択肢分岐「私が秘書の仕事を手伝う」→「仕事、私も手伝うようにしますね」でエンド1つ目(この世は舞台、人はみな役者。)

選択肢分岐「書類をめくって見る」でエンド2つ目(トレジャーハンター・キューピット)。

ラブタイプがエロスでエンド3つ目(ランウェイでは泣かないで)。

好感度85以上&ラブタイプがプラグマでベスト(貴方となら、どこまでも)、条件を満たさなければエンド4つ目(プラグマティック・ラブ)

・ラウル・アコニットのエンド

選択肢分岐「レモンの下の小さいオイスター」でエンド1つ目(オイスター市長の仁義なき戦い)。

ラブタイプがアガペでエンド2つ目(ラウル・アコニットと最後の聖戦)。

好感度85以上&ラブタイプがルダスでベスト(レッドカーペット・ラブストーリー)、条件を満たさなければエンド3つ目(キューピット教授と趣味パラサイト)。

・螢彩院・F・琉輝のエンド

ラブタイプがプラグマでエンド1つ目(グッド・ビジネス・パートナー)。

選択肢分岐「花楽ちゃんにボールを買う」でエンド2つ目(たかがボール、されどボール)。

選択肢分岐「デートの申し込みを受けない」でエンド3つ目(恋をするには若すぎる)。

好感度85以上&ラブタイプがエロスでベスト(ハッピー・カウントダウン)、条件を満たさなければエンド4つ目(今夜、ベッドの上で)。

・アラン・メルヴィルのエンド

好感度65以下orラブタイプがマニア以外でエンド1つ目(ロサンヨークでつかまえて)。

好感度80以下でエンド2つ目(声なき幸せ)。

好感度85以上&選択肢分岐「彼と過ごした夜の時間だ」でエンド3つ目(Never let me go)。

好感度85以上&選択肢分岐「彼とのキスだ」でベスト(堕天使たちにラブソングを)。