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乙女ゲームの感想や攻略ブログです

Nintendo Switch「大正×対称アリス HEADS & TAILS」の感想

Nintendo Switch「大正×対称アリス HEADS & TAILS」の感想です。  

 

 

 

 

 

作品概要  

大正×対称アリス HEADS & TAILS - Switch

大正×対称アリス HEADS & TAILS - Switch

  • 発売日: 2020/10/29
  • メディア: Video Game
 

機種: Nintendo Switch※VITA版の移植

作品名: 「大正×対称アリス HEADS & TAILS」

CERO: C(15才以上推奨)

あらすじ: 大正×対称アリス本編を猟師とオオカミ視点で描く物語と本編ハッピーエンド後のアフターストーリーに加え、学園での恋愛物語が楽しめるファンディスク。

 

*本編「大正×対称アリス all in one」の感想はこちら

otomegamefun.hatenablog.com

 

参考情報

キャラ別タイプ

・主人公(CV:無し)…ちゃっかり、よく喋る、前向き

・猟師(CV:橋詰知久)…兄、無愛想、大人

・オオカミ(CV:花江夏樹)…友人、元気、お調子者

・シンデレラ(CV:平川大輔)…年上、俺様、ヘタレ

赤ずきん(CV:前野智昭)…堅物、照れ屋、純情

・かぐや(CV:増田俊樹)…優しい、繊細、甘やかす

・グレーテル(CV:江口拓也)…義姉弟、依存、S

・白雪(CV:蒼井翔太)…美人、冷静、理性的

・魔法使い(CV:波多野渉)…明るい、一途、献身的

・アリス(CV:松岡禎丞)…毒舌、ツンデレ、過去の出会い

 

攻略推奨順

 猟師→オオカミ→シンデレラ→赤ずきん→かぐや→グレーテル→白雪→アリス→魔法使い→学園アリス
 ※サブキャラ視点から見る本編の物語からプレイしておくと、大正×対称アリスの内容をおさらいできる。アフターストーリーは魔法使い最後がオススメ。
 ※学園アリス編は自由に攻略して良いが、個人的に魔法使いだけは早めの攻略を勧めたい(好み次第ではある)。

 

オススメポイント

 ・本編で近くにいた兄と友人がどう思い動いていたのかが分かる!

 ・ハッピーエンド後のカップルとなった2人のその後が見られる!

 ・学園アリスにて、定番の学校生活と恋愛を和気藹々と楽しめる!

 ・快適なシステム周りでゲームに没頭しやすい!

 

攻略目安時間

 フルコンプまで15時間程度
 (エンド数は猟師2、オオカミ3、アフター各1、学園アリス各1、鏡の国一のドMは誰だ大会!読了)
  ※ボイスをある程度飛ばしてプレイする場合

 

糖度

 まあまあ(本編並の甘さ)

 

難易度

 普通
 (エンド1つが若干手こずる程度で難しくはない。)

 

評価 70/100

 本編をクリアした方なら予想できるだろうが、猟師とオオカミは恋愛関係にはならずに、本編を彼ら視点で辿るストーリーになっている。主人公の側にはいつも優しく見守りサポートしてくれた人達がいた事を実感させる温かい内容。バッドは無く、選択肢によりエンドが分岐する。

 アフターストーリーは短めで選択肢は無し。甘さは本編と同程度か少し控えめになった気がする。ノリの良い掛け合いは本作も健在で、大いに笑わせてもらった。学園アリスは本編のようなシリアスな設定はあまりなく、皆と楽しい学校生活が送れる。主人公は変わらず小悪魔で恋愛に積極的。

 ファンディスクで値段通りボリュームは控えめだが、本編が気に入っていて好みのキャラがいるなら買って損無しの明るく楽しめる作品。

 

 

感想(ネタバレ注意)

ストーリー感想

 本編のストーリーをサブキャラ視点で見ていくだけでも1周3時間程度掛かり、結構長くてビックリ。それだけアリステア達とは多くの思い出があった。本編と当然矛盾は無く、猟師とオオカミの本心や優しさがより深く理解できた。主人公とアリステアの両親は変わってたけど、良い人達が側にいてくれて良かった。

 アフターストーリーは各キャラ30分程度で読めてしまい、少し短く感じた。付き合ってからの話だからどのくらい甘いか期待したが、主人公の年齢的に節度を保ったお付き合いが多くて、本編の方がイチャイチャしてたかもしれない。魔法使いに関しては主人公(猫)との関係性が大きく進展し、かなり重要な内容であり嬉しい結末だった。

 学園アリス編は1周目1時間程度、2周目以降は30分、終始明るいテンションなのでちょうど良い長さに感じた。内容はごく普通の学生生活なはずが、個性的なキャラのおかげでドタバタして笑える。

 オマケのSキャラ選手権は、Mのキャラばかりなのにどんな議論になるのかと思いきや、S=サディストではなく、さしすせそのワードで勝負していて笑った。よく皆そんなにサラサラと単語が出てくるなあ。テンポのよい掛け合いが最後まで見られて楽しかった。

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↑ストーリー選択画面。おまけを除き攻略制限は無い。

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学園アリス編はキャラに会いにいく形式。

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学園アリス編のみ好感度チェック可能。

 

 

イラスト感想

 学園アリスは学校生活用に立ち絵が全キャラ新規で追加されている以外は本編と変わりはない。イラストは全体的に雑ではないが、やはり動きが固い。本編もそうだったが、主人公の髪の毛はボリュームがあって描くの大変そう。スチルは重要な場面はほぼ押さえている。学園アリスでのSD絵がパステル調でほんわかとした雰囲気がとても可愛く、もっと見たいと思った。

 メモリー内のCG鑑賞では、今までのパッケージイラストまで網羅されており、多数のイラストを閲覧可能。また、今回ムービーから本編のテーマソングとエンディングそれぞれの曲をフルで歌詞付きで聞くことができる。歌詞は英語と日本語訳付き。大正×対称アリスの世界観を表現した、フワフワとした不思議で良い曲。なんとJOYSOUNDならカラオケ配信もあるみたい。 

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学園アリス編には立ち絵が追加されている。

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↑ムービー画面では、本編OPとEDを歌詞見ながらフルで視聴できる。

 

 

システム感想

 本編と同じで、キーのコンフィグを細かく変えられない以外は完成されている。次の選択肢、前の選択肢ジャンプが一瞬でできるのがやっぱり快適で、飛ばす際に選択肢で決定ボタンを押さなくても良く、ロードから巻き戻してもその時選んでいた選択肢に矢印がちゃんと移動しているのは地味に便利。しっかりとした取扱説明書は、本作にも用意されている。

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↑取説あるのはありがたい。

 

 

キャラ別ストーリー概略&感想(ネタバレ注意)

猟師

 猟師=諒士は10歳も年下の妹である主人公に対しコンプレックスを抱いて育ち、医者の一家だったため諒士も必死に勉強に励んできた。大学生となった諒士はおばあさんを助けた際に、オオカミと出会い、その後夜の湖で白雪を見つける。白雪がきっかけで精神科医を目指すようになった。

 諒士は多重人格で苦しむアリステアの担当医となって、両親へも彼を養子としてもらうよう説得する。主人公と兄妹でデートしたり、アリステア達とクリスマスパーティーをしたり、穏やかな日々が続く。しかし、両親がまた家から不在になった途端、アリステアの新人格グレーテルが現れて問題を起こし、主人公はアリステアへ大きく依存するようになっていた。

 アリステアは薬を大量に飲んで目覚めなくなってしまい、主人公は大きく悲しむ。諒士は主人公を慰め、過去抱いていた悩みを吐露し、兄妹はようやく打ち解ける。それから主人公は諒士の家にある心理学書で勉強し、オオカミと一緒にアリステアへ変わった童話を読み聞かせているようで…?

 

 本編を諒士目線で描くストーリー。最後はアリステアも無事戻り、主人公との兄妹仲も改善され、めでたしめでたし。諒士の目で俯瞰してみると、主人公の異常性が改めてよく分かる。そして、仕事とはいえアリステアや主人公に振り回される諒士がどれだけ大変だったかも。これだけ忙しいんじゃ、彼女できないだろうな。

 両親も悪い人ではないとはいえ、主人公本来の性格すら見抜けず、諒士が親代わりといった感じ。諒士の意外な一面をもっと見てみたかったが、本編の振り返りとしてはちょうど良かった。

 

 

オオカミ

 大神=オオカミは転校してきた主人公に一目惚れして、出会った瞬間に告白して玉砕してもめげずに主人公と友達になる。オオカミは、幼い頃出会ったアリステアを探すために親元から離れて今の高校へ通っていたが、主人公を通じてアリステアと再会する。残念ながらオオカミが過去に遊んでいたのはアリステアの別人格の赤ずきんで、アリステアはオオカミのことを知らなかった。それでもオオカミはアリステアと喜んで友人になる。

 オオカミ自身は多重人格を信用しきってはいなかったものの、友達としてサポートに徹してアリステアへ勉強を教えていると、次第に彼はオオカミにだけ相談を持ちかける等、心を開いてくれるようになる。また、主人公が何事もアリステア最優先で悲しみつつも、男性の中で唯一主人公の連絡先を知る自分は特別な存在だと気付いて喜ぶのだった。

 オオカミは諒士の頼みもあって適度な友人としての立場を意識して見守ってはいたが、それ以上のことができずに歯痒い思いをしていた。アリステアの悩みを聞く中で、他の人格と話し合えたら良いのにと呟くとアリステアはどこか気軽になった様子だった。ところが、突然アリステアは大量の薬を飲んで目覚めなくなってしまい、主人公から秘策を持ちかけられるが…?

 

 あくまでも本編をオオカミ目線で追う話なので、当然主人公とは恋愛関係には発展しないので切ない物語だった。それに本編プレイ時は主人公の事をこれほど想っていたとは知らず、ただの軽口で主人公に好きだとか言ってるのかと思ってた。なので、主人公に1ミリも振り向いてくれないまま、1人恋愛を妄想しては変なオチに持っていく、徹底して明るいキャラを保つ彼が不憫に感じた。

 とはいえ自分も次第にオオカミは彼氏とするより友達として欲しいと思ってしまったあたり、やっぱり恋愛よりも友人よりの良い脇役なのかもしれない。エンドは3つあって、嘘をついてずっと良き友人を選択したものが個人的には好みの結末だったが、人によってどれが1番かは大いに意見が分かれそう。悲恋なのは分かっていても、今の関係性を維持するかどうか大きく異なるエンドが用意されていて満足度は高い。

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↑妄想すると、毎度変な展開に…。

 

 

シンデレラ

 シンデレラと主人公は1日休み。シンデレラのエスコートで美味しいランチに可愛い雑貨店でのウインドウショッピング等、女子力の高いデートを楽しむ。シンデレラは買い物が下手だが、主人公の代わりに家事も率先して行ってくれる自慢の未来の旦那。

 家に帰ると弟達は外泊しており今日は初めて家で2人きり、主人公はシンデレラを意識してテンションが上がる。なのにシンデレラは主人公に構ってくれず不満に思った矢先、誤って彼のワインを飲んで酔っ払ってしまう。酔った勢いで主人公は想いをぶちまけるが、シンデレラは介抱しながら手作りの婚約指輪を嵌めてくれて…。

 

 借金を抱えたシンデレラとの節約生活、セールに釣られて不要な物や大量買いしちゃう彼の気持ちは分かるなあ。安いと思うとついつい…笑。金銭面だけは大変だけど、シンデレラはそれ以外はしっかり者だから今後の生活も不安は特に感じなかった。

 弟達に外泊を頼んでいたり、主人公の生まれ年のワインを買ったり、意外とサプライズの手筈も整える技量がある。かといって主人公の事を考えて安易に手を出す事もなく、誠実で安心。

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↑ハゲネタでずっといじられるシンデレラに爆笑。

 

 

赤ずきん

 赤ずきんと2人で仲良く暮らしてはいるが、中々恋愛の関係性が進まない事にヤキモキする主人公。雨に打たれて、風呂を嫌がる赤ずきんを無理矢理湯船に浸からせようと、気付けばお互いにお湯や泡を掛け合い、その後もマッサージしあって楽しむ。

 だが、主人公はいつも自ら赤ずきんへアタックしてばかりで、消極的な赤ずきんに怒ってしまう。赤ずきんは自身の欲望を見せて主人公に嫌われたくなかったと、本音を告白して仲直りする。主人公がうとうとしている隙に頬にキスして喜ぶ赤ずきん。しかし、その後主人公から襲いかかり…!

 

 最初から最後まで主人公と赤ずきんの暴走と掛け合いが面白かった。赤ずきんはからかい甲斐があるなあ。こっそり頬にキスしただけで、1つ階段登って喜んでる赤ずきんに頭を抱えたが、狼な主人公自らが襲って一気に階段駆け上がって笑った。よく上手くいったね…笑。

 赤ずきんは本編の時に比べて鼻血出す場面は減っても相変わらず奥手で、今回のように主人公から攻めないと全然先に進まなかっただろうし、今後も主人公が赤ずきんをリードしていく未来が見える。たまには男を見せてがんばれ赤ずきん

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↑色んなネタをぶちかましてくる。

 

 

かぐや

 主人公が風邪を引いてしまったため、かぐやが優しく看病してくれる。かぐやは察しが良いため、主人公の心を読んだかのような動きをする。2人の働く喫茶店では団体客のパーティがあったのに、主人公は休んでしまい、かぐやは主人公の部屋とお店を行ったり来たり。喫茶店では新しくスタッフを雇う事になる。

 かぐやは今までの経験から心に深い傷を負っていたが、喫茶店で働くようになってからは自分を受け入れてくれる人達の存在を実感し、ついに自身の居場所を見つけることができた。かぐやは決心をして満月の夜、復帰した主人公を湖に連れ出し…?

 

 かぐやの繊細で優しい性格がよく伝わってくる看病話だった。あと地獄耳なのも分かった笑。さすが、人の心の機微を読めるかぐやというか。少しでも浮気心抱いたら即バレてバッドエンドになりそう。

 シンデレラや赤ずきんと違い、かぐやから積極的に主人公に触れてくれるので主人公が欲求不満を抱くことはないけれど、かぐやは主人公をもっと信用してくれても良いよね。あと、主人公に弱味を見せてくれなさそうなので、甘えて欲しいなあと思った。

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↑顔色を伺う必要なく、以心伝心なかぐや。


  

グレーテル

 突然グレーテルが甘い物を控えだした!どうやら体重が3キロ増えてショックを受けていたらしい…という訳でグレーテルと主人公は一緒にダイエットすることに。主人公による飴と鞭の使い分けで頑張るグレーテル。

 ある日は湖までオオカミ含めて3人でマラソン競争してグレーテルは勝ちを主人公に譲ったり、オオカミ相手に容赦なくボクシングしたり。甘いお菓子を我慢して気が狂いそうになっても、なぜか全く効果が出ない。そこで兄の猟師を呼んでみたところ、とある事実に気付き…?

 

 本編では主人公を監禁して好き勝手していたグレーテルが、今回は年相応に騒ぎまくっては主人公になだめてもらう展開に。1人でボケ・ツッコミする姿は面白くてすごく可愛い。グレテル君だとかデブーテル君だとか色々いじられてるのも笑った。

 本編の時よりも他人に対して心を開き、観察するようになった。そのため、相変わらず態度が悪いけれど、あれほど嫌っていた猟師ともちゃんと話せるようになっており、ようやく心の奥底では彼を認めていたことに気付いた。猟師超えを目標に、成長期のグレーテルはどう育っていくのか楽しみ。

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↑本編では見せなかった年相応の姿が見られて微笑ましい。

 

 

白雪

 白雪と主人公は雨に降られて、近くにあった無人の屋敷に飛び込んだところ閉じ込められてしまう。天気は嵐、とりあえず暗闇の中屋敷の探索をしてみると、どこか見覚えのある造り。主人公はピアノを見つけ、演奏に合わせて白雪も歌う。

 主人公が寒さに耐えきれなくなり、白雪は構わず本を燃やして暖炉の火をつける。ここは白雪が母親からずっと聞かされていた過去のアリステアの住まいで、忘れられず鏡の世界に具現化された物だった。主人公の忘れなくても良いとの言葉に反応したかのように雨と雷が止み、屋敷の中が雪明かりに照らされる。そして白雪の母と猟師が駆けつけ…。

 

 2人は今いる場所が鏡の世界だと認識しているからか、ホラーチックで少し幻想的な話だった。白雪は育った環境のせいで空腹や暗闇、寒さに容易に耐えられてしまうが、おかげで主人公をしっかりと守ってくれる。一見可愛くても(禁句)、さすが王子頼りになる。

 ラストは母親と猟師との温かい食事やグレーテル達兄弟に大変心配される主人公等、家族の温もりを感じられ、白雪には幸せな終わり方だった。実は笑い上戸の白雪が、自分で駄洒落を言って笑ってる姿になんだかホッとする。 

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↑白雪までネタを真顔でぶっこむ。

 

 

魔法使い

 魔法使いは役目を終えてしまい、虚無感を抱いていた。猫に変身した主人公と今日も他の世界を回る。赤ずきんの世界にいた主人公から10本の薔薇を貰い、シンデレラの世界やかぐやの世界で薔薇を渡しつつ、その世界の主人公や側にいる彼らのフォローをする。

 白雪の世界では主人公が人肌脱ごうとテンに変身して、白雪達をかき乱し、魔法使いは白薔薇を使って雪を降らせるのだった。ところが、アリスの世界に来た魔法使いは、主人公と喧嘩してしまう。本物の主人公の初恋相手がアリスだったために苛立っていた。オオカミと話し、自分の思いに踏ん切りのついた魔法使いは主人公を迎えに行き…?

 

 本編では現実の主人公に片思いする魔法使いへ鏡の国の主人公が片思いする、ちょっぴり儚いエンドだったが、ようやく想いが重なってハッピーエンドに。しかも、他のキャラのアフターストーリーを影で支えていた事も分かって微笑ましい内容だった。

 現実の世界ではアリステアと主人公が結ばれて、気持ちに区切りをつけなければならなかったのに魔法使いは中々諦めが悪かった。とはいえ、他のメンバーと違って特殊な役割を与えられ想いも強かったのもあるが、鏡の世界の主人公を認められない理由には、バッドエンドの主人公をひたすら無情に殺さなくてはならなかった苦悩もあった。そりゃそうだ。いくら現実の主人公とは別人だと思っていても、見た目は同じ女の子を何度も何度も殺す訳で。分かってて指示する現実の主人公はやはり残酷だったな。

 

 

アリス

 中々言葉にして想いを伝えてくれないアリスに対し、主人公は自分のことを本当に愛してくれるのか不安に思っていた。幼い頃に出会った時の現実にいる主人公が好きだったのではないか?そこへ魔法使いが現れ、子供の姿してもらって本音を確かめることにした。アリスは幼くなった主人公を見て、他の鏡の世界から来た迷子だと勘違いして様々な世界へ連れて行ってくれる。

 アリスは普段と違いとても優しく、可愛いとベタ褒めしてくれ、やはり大人よりも幼い頃の主人公が好きだったのだと残念に思う。ところが、アリスは幼い主人公の正体にはじめから気付いており、魔法使いに対して戻すよう訴える。魔法を解くにはお姫様への愛する者からのキス、戸惑うアリスに対して魔法使いはたくさんの主人公をその場に生み出し…?

 

 ああ言えばこう言う口達者なアリスは恋愛に奥手だから、主人公の悩みは案の定だった。主人公も機転が利くしめげずに言い返すから、釣り合いは取れてるんだよね。この2人は夫婦になっても言い合いしながら仲良く暮らしてそう。

 アリスの発言は毎度面白く、よく喋るからずっと見ていて飽きない。そして幼女にかけっこで負けるほど貧弱でお姫様抱っこも様にならないなんて、可愛くて良いキャラクターだと思う。本編でも登場の機会は少なかったので、もっと色々な話を見たい。

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↑よく喋るアリスは見ているだけで面白い。

 

 

学園アリス

 主人公は転校初日に遅刻しそうになってジャム付きのパンをくわえて走っていたら、案の定曲がり角で運命の人とぶつかっちゃう!?学校では先生のシンデレラ、赤ずきん、かぐやと生徒の白雪、グレーテル、魔法使い、アリスとの出会いがあり、学園祭やクリスマス等のイベントを経て気付けば気になる人が1人いた。学校にある大きな木の下で修了式の日に告白されると永遠に結ばれるという伝説を聞いた主人公は、どうにかして叶えようとするが…?

 

 どこかで聞いたことのある定番やお約束がてんこ盛り。主人公をはじめとした個性豊かなキャラ揃いなおかげで、普通なはずの学校生活もツッコミ所満載。グレーテルだけは会っていなくても好感度が上がりやすく、他のキャラルート行こうとして邪魔されることがあったのは笑えた。

 全体的に明るい調子で進むが、魔法使いを攻略するとパラレルワールドではなく、やはりここもどこか変わった鏡の世界だということが分かる。なので、魔法使いのみ悲恋で一生友達扱いのエンド。当然猫(彼が2番目に愛する主人公)も常に彼の側にいるから、攻略する時も複雑な気持ちだった。絶対好きになることはないとボソッと呟かれても、主人公の性格上決して諦められないから切ない。モヤモヤするから、最後に攻略しちゃうと辛いな。

 

 

攻略情報

 オマケの鏡の国一のドSは誰だ大会!は学園アリスを除き、全てのキャラクリアで解放されます。

・オオカミのエンドの3つのうち、シーン最後に位置する1つのエンドは少し選択肢に迷いやすいです。合計9回の嘘を吐くかどうか選択肢があり、前半の5回は嘘を吐かない、後半の4回は嘘を吐くことで見られます。ストーリーの関係上、前半で嘘を吐く回数を稼ぐと見られません。