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Nintendo Switch「遙かなる時空の中で7」感想

Nintendo Switch遙かなる時空の中で7」の感想です。  

 

 

 

 

 

作品概要 

遙かなる時空の中で7 通常版

遙かなる時空の中で7 通常版

  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Video Game
 

機種: Nintendo Switch

作品名: 「遙かなる時空の中で7」

CERO: B(12才以上対象)

あらすじ: 神社の娘である主人公は、怨霊に襲われたところを真田幸村と名乗る青年に救われる。自分の世界とは違う格好をした彼の姿。異世界の戦国の世と時空が繋がり、怨霊が流れ込んでいた。主人公は異世界へ向かい、自身が織田信長の娘であることを思い出し、龍神の神子として乱世の収束を決意するが…?

 

 

参考情報

キャラ別タイプ

・主人公(CV:高橋美佳子)…凛々しい、強い、まっすぐ

真田幸村(CV:寺島拓篤)…実直、真面目、勇敢

・天野五月(CV:鈴村健一)…義兄妹、過保護、ヘタレ

宮本武蔵(CV:阿部敦)…明るい、努力家、めげない

・佐々木大和(CV:岡本信彦)…幼馴染、孤独、成長

黒田長政(CV:立花慎之介)…厳格、俺様、現実的

直江兼続(CV:竹本英史)…年上、軽い、知識人

阿国(CV:四反田マイケル)…気さく、繊細、美人

柳生宗矩(CV:安元洋貴)…寡黙、忠実、冷静

 ※一部人物には人外、許嫁要素あり。

 ※主人公のボイスはオフ可能だが、オンでも基本的にストーリー中のボイスは無く、戦闘中の掛け声程度

 

 

攻略推奨順

 ノーマル→黒田長政阿国柳生宗矩直江兼続宮本武蔵→佐々木大和→天野五月→真田幸村→大団円

 (大団円は全キャラ攻略後解放)
 ※気になるキャラから攻略して問題ないが、青龍組ルートでのみ明かされる秘密があり、 後半がおすすめ。佐々木大和ラストも良い。

 

オススメポイント

 ・戦国の異世界で八葉と共に戦う主人公!

 ・史実を絡めた様々なストーリー展開!

 ・細部まで丁寧に描かれた美しいイラスト!

 ・戦闘する程絆が上がり、八葉のボイスも変化!

 

攻略目安時間

 フルコンプまで30時間程度
 (ノーマルエンドと各キャラクリア後大団円、スチルコンプ)
  ※ボイスをある程度飛ばしてプレイする場合

 

糖度

 微糖(恋愛よりも戦乱の世で怨霊の浄化が優先される)

 

難易度

 普通
 (各キャラの攻略ヒントあり、戦闘の難易度は調整可能で、コツを掴めばボス戦も苦戦しない)

  ※戦闘難易度:普通でプレイした場合

 

評価 80/100

 遙かシリーズ7作目でコーエーお得意の戦国時代が舞台となった作品。本作も美麗な絵がストーリーを盛り上げてくれる。

 終盤分岐する個別ルートによって黒幕が異なる上、攻略対象以外の八葉も終盤まで出番があって、周回してもストーリーに飽きることはない。主人公が今回織田信長の娘で色々と設定が盛り込まれている点や好きに現代と異世界を行ったり来たりできる点、便利な式神や都合の良いワープ設定等、人によっては気になるところはあるが、史実に絡めてストーリーを上手く構成している。戦乱の世で八葉の大半は名だたる武将達につき、常に一緒にいることはできず、甘さは控えめだが、エンディングでの彼の独白は長めでくすぐったい気持ちになるはず。

 戦闘はシンプルで、コツさえ掴めば多少育成不足でも勝てるようになる。2周目以降はイベント戦はスキップ可能だが、ストーリーを進めるために雑魚戦はある程度必要になるため、完全に戦闘を避けることはできない。ある程度は同時攻略できるので、多少効率的なプレイが意識される。

 

 

感想(ネタバレ注意)

ストーリー感想

 通常ルートは長めだが、攻略キャラ数が8人と多いのに個別ルートもそれぞれ頑張って作られていてボリュームは丁度良かった。ルートによって黒幕が異なるため、攻略するたびにストーリーが違って面白い。個別ルート入っても、2人きりの世界にはならずに八葉メンバー全員の出番が変わらずあって、掛け合いが楽しめるのは大変良かった。洞穴で行きたい所に楽々ワープできたり、式神が誰でも使えて便利すぎたりは、ストーリーの進行上やむなし。

 ただ、乱世を鎮めるにあたり結局主人公は怨霊浄化しかできないのは残念だったかな。家康も三成も怨霊使って悪さをしないので、主人公が遙か3みたく軍の先頭に立つ必要はなく、ここまで大きな戦乱となると1人の少女にできることは何も無いから仕方ない。本作は運命を変えるのではなく運命を越える話なので、一応テーマ通りではある。

 大団円では浄化した後、さっさと元の世界へ帰ってしまっているため、ファンディスクで続きが気になるところ。その際はぜひ石田三成を攻略できるようになると嬉しい。

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↑辞典があるので、歴史に詳しくなくてもOK

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↑攻略状況は簡単にチェックできて安心

 

 

イラスト感想

 遙かシリーズ恒例の水野十子さん担当で、立ち絵もスチルも緻密な線画で非常に綺麗。しかも漫画家だからこそ、構図も様々でアップの絵ばかりで無いのが非常に良い。塗りも丁寧で原画とマッチしている。糖度が低い分、イチャつくスチルがあまり無いが、サラサラな髪を見てるだけでうっとりする。

 スチル数は1キャラあたり10〜11枚、攻略キャラ8人なため少なくは無いものの、キャラによっては別のシーンでスチルが欲しいと思うことはあった。

 今後も引き続き水野十子さんが原画担当して欲しいな。

 

 

システム感想

 戦闘は、近年のゲームらしく通常攻撃はオート。主人公は指定のキャラを回復させるか、応援で攻撃か防御か集中力を上げることができ、集中力を貯めた八葉は技を使って全体攻撃等を行える。戦闘難易度は弱い、普通、強いの中から自由にいつでも設定できるので、誰でもクリア自体は容易になっている。ただし全体的に戦闘のバランスはあまり良くない。応援システムは集中力以外効果が低すぎて使い道がなく、ボス戦は宗矩の確率即死技が効くために、宗矩接待して技をひたすら使えば簡単に勝ててしまい、ただの作業と化している。おまかせモードは戦闘に時間がかかるため使用しない方が良い。

 2周目以降は絆と経験値アイテムが貰え、イベント戦もスキップ可能になって周回が多少楽になるものの、ストーリー進行の関所となる五行奉納自体は避けられないため、結局五行を満遍なく集めるためにそれなりに戦闘が必要となるのは残念だった。むしろイベント戦スキップは雑魚戦の戦闘回数を増やさなければならないので避けない方が良さそう。個別ルート入ってからはマップ中遁甲によりほぼ全ての敵を避けても問題なかったのは、ストーリーに集中しやすくなってありがたかった。

 各キャラ攻略にあたり、人物情報からイベントの発生状況及び条件が確認できるのは便利で、マップ上でもイベント発生有無を表示してくれるため見逃しがなく、攻略自体は非常に簡単に感じた。

 豆辞典により、用語解説もバッチリ。

 その他システムとしては、スキップ速度を調整すればイベントを丸々飛ばすことができ、タッチ操作も良好で、サクサク動いて不便はない。できればオートセーブがあると良いなとは思った。

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↑マップ詳細、イベントの発生が一目瞭然でタッチ操作が便利

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↑戦闘画面、SDキャラが可愛い

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↑シリーズ恒例の円陣システム

 

 

キャラ別ストーリー概略&感想(ネタバレ注意)

真田幸村

 真田幸村は主人公の家で咲く花を気にいり、青空のようなネモフィラの花に憧れる。龍脈を正しても、カピタンは魔法陣を使い南蛮怨霊を生み出しており、豊臣家に取り入ろうとするところを阻止する。ところが、怨霊を浄化する度に主人公の身体の調子が悪化していく。戦が始まって一族と袂を分かった兄の信之の考えを知り、迷いのなくなった幸村は活躍するが、関ヶ原の戦いは三成が敗北。

 幸村の弟の眠る長谷寺が徳川に焼かれ、心を痛めた2人はネモフィラの種を蒔く。流罪となった幸村に主人公は付いて行き、夢でカピタンが龍脈を穢していることに気付く。弱る主人公へ幸村は主人公の正体が龍神であることを明かす。決戦前2人は家族になりたいと願う。

 竹生島の神域でカピタンは信者の血で黒龍を穢していた。カピタンを倒すも神域が崩れ、世界を守るために主人公は龍神へ戻ることを決めて別れを告げ、幸村は人の世でやるべきことが終わったら主人公の元へ行くことを誓う。幸村は三成からの約束を守り、大坂夏の陣淀殿と秀頼へ生きるよう説得した後、徳川家康の元へ乗り込む。あと少しのところで大阪城は燃え、龍神の慈雨が降り注ぎ、ネモフィラの花が咲く…

 

 神域で永遠に生き続ける2人、これで本当に家族といえるのか、幸せと言って良いのかよく分からないエンドでショックを受けた。幸村には五月のような霊力や宗矩のような特殊な武器や力が無いため、どうしても取り戻せないし、そもそも本人の実直さ故か龍神となった主人公をそのまま愛して、自らがその世界へ向かう展開に。史実的にも生き残れないから、こうするしかなかったとも言える。

 最後、ネモフィラの花に囲まれて愛を喜ぶ姿はとても穏やかで幸せそうなのに、どこか悲しさを感じる美しいエンディングだった。完全ハッピーエンドではないのも余韻があって好み。淀殿豊臣秀頼がどうなったかは語られずに終わるが、幸村の思いが通じてこの世界では自害まではしなかったと思って良さそうかな。

 にしても幸村と五月のルートのみ主人公が白龍であることが明かされ、まさか人外だったとは驚いた。確かに今までの作品で人間の形を取っていたこともあったけど、こんな可愛い女性に変化してるなんて。信長の実の娘では無かったのね。

 

 

天野五月

 主人公が時空の狭間から現代に現れた際に双子の兄三鶴と生き別れ、三鶴を憧れに主人公を兄として守ろうとしていた。だが、五月は兄としての立場から1人の人間として、主人公を守りたいと願うようになる。

 龍脈を正すが、元の世界に帰ることができず、2人は岐阜城に住む。主人公は不思議な予知夢と異常な喉の渇きを覚え、五月も連日予知夢にうなされていた。佐和山城石田三成が保護していた白龍の子供と出会うが、主人公を見て姉だと言う。町で陰陽師達が怨霊を召喚しており浄化しようとすると、五月は主人公に龍神の力を使わないように諭す。以降も主人公は怨霊退治に行かせてもらえず、しまいには元の世界に閉じ込められてしまう。

 龍神の力で異世界へ戻ると、五月は1度だけ必ず連れ戻してくれるお守りを渡してくれる。戦が始まり、現れた怨霊を浄化した瞬間、主人公は白龍となって自身の正体を思い出すのだった。五月は必死になって何とか主人公を人として取り戻す。戦場に戻り怨霊を討伐していると、石田三成が三鶴であることに気付き、関ヶ原の戦いに負けて捕縛された三成を救出する。さらには平島義近が白龍の子供を呪詛で操ろうとしており…!

 

 服装や外見からし石田三成=五月の兄というのは分かりやすかったが、全然お互い出会ってくれないのが歯痒かった。三成があえて避けていたから仕方ないのだけど。

 五月は主人公のことを兄妹として見ないと宣言するのは比較的序盤だったのに、主人公は変わらず兄呼びで、大して関係性が変わっていないのが少し物足りなかった。そして、優しかった五月の変貌、白龍となった主人公を取り戻すのに苦労する姿、兄が三成だと分かって救出する場面、白龍の子供を救うまでの一連の流れがいささか駆け足気味で、これほど設定盛り込むならもう少し丁寧に描写してくれると嬉しかったな。それでも、人を傷つけるのが嫌な五月が主人公のためだと何でもする、そこが本ルートの醍醐味。スチルも甘いシーン多くてにやけちゃうのは間違いない。

 あと異世界の服装より、現実世界の服装の方が断然格好良く見える。意外ながたいの良さが見えて、大人な色気が漂う感じ。

 

 

宮本武蔵

 日の本一の剣豪を目指す宮本武蔵だが、主人公の元の世界で語られる話と大いに違い、非常に弱くて試合に勝てたことがない様子。怨霊退治する剣士と出会って、師匠とし修行を始めるが、無理が祟り体調を崩す。勝てない理由が心にあると指摘され悩み始める。

 龍脈を正してから数ヶ月後、京で怨霊が発生する噂を聞いて向かったところ、武者修行でたくましくなった武蔵と再会する。そして武蔵の師匠の正体は足利義輝で、平島義近が召喚した怨霊だと判明する。織田信長に恨みのある義輝が主人公に襲いかかった瞬間、武蔵は地面に突き刺さった義輝の剣を抜き二刀流で応戦し、義輝は一旦撤退する。

 関ヶ原の戦いが始まり、怨霊で両軍を壊滅させようとする義近を止めに行く。武蔵は義輝との戦いに勝利し、正気を取り戻した義輝は浄化される。足利家復興を諦めない義近は、関ヶ原で流された血と自身の血を捧げて外道神を呼び出し全てを滅ぼそうとするが…?

 

 毎日修行してるのに素人相手にも勝てず、本当に宮本武蔵なのかと思いきや、終盤で二刀流になってから本領発揮で面白い展開だった。親からも才能が無いと辛辣なことを散々言われても、決して心折れないあたり精神力が強すぎる。師匠の義輝との対決で、武蔵と剣を交える度正気に戻るのは、武蔵の心が真っ直ぐで綺麗だからに違いない。大和と斬り合ったら、むしろ義輝の瘴気が悪化しそう。

 富士で龍脈を正した数ヶ月後、成長した武蔵の姿を見て誰も本人と気付かなかったけど、立ち絵的にそんなに変わってなくて違和感あった。身長や体格に大きく変化があったのかな?髪が伸びて確かに格好良くなったと思う。

 ストーリーからして戦闘面もおそらく大器晩成タイプなのだろうけど、成長する前にクリアしてしまい、武蔵単独の戦闘が多くて割と苦戦して辛かった。育成アイテムは武蔵に全て注ぎ込むべきだったなあ。

 

 

佐々木大和

 主人公と共に異世界へ来た佐々木大和は剣の才能があって、長年修行してきた武蔵相手にも軽々と勝ててしまうほどで、修行に精を出し八葉との仲も深まっていく。富士で龍脈を正すが、元の世界へ帰れなくなってしまい悲しむ主人公に、大和はずっと側にいると慰めてくれるのだった。

 何者かが再度龍脈を汚し、町に怨霊が発生するようになり、また異世界から一時的に元の世界へ戻れるようになったことで、主人公は気を利かせ大和に帰宅を促す。すると、父親が新たな家族を作っており、大和を家から追い出そうとする。戦乱の世に戻るも、大和は心の闇が深まり瘴気に飲み込まれそうになったため、刀を手放すことになる。ところが怨霊に襲われ、祠に祀られた刀を手に取って戦うようになるが、主人公や八葉が段々と弱っていく。カピタンとターラが仕組み、周囲の生気を吸い取る刀を大和に握らせていたのだった。

 刀の呪いは強く、捨てようとしても大和の手に戻ってしまうため、一行から距離を取って影で戦い続ける。主人公がターラに狙われ、救おうとした大和だったが、ついに刀の呪いが浄化される。心が吹っ切れた大和は自身の父親に別れを告げ、異世界で生きることを宣言する。関ヶ原の合戦前、瘴気をまとうターラと対決するが…!

 

 なぜかターラとカピタンが幸せになって、大団円的雰囲気を感じさせるルート。宗矩の場合は、どうやってもターラを浄化させるしかなかったのになあ…

 大和は現代の高校生らしく、熱しやすく冷めやすい趣味が長続きしない人物で、刀を手にしたことで人生が大きく変わっていく。ラストは改名して佐々木小次郎になるあたり、だから武蔵と良きライバルだったのかと合点した(苗字が佐々木な時点で想定すべきだった)。

 彼の家族は理由があったとしても最低すぎて…そりゃ現代に思い入れ無いよね。ここまで酷いなんて、主人公も想定外だったろう。主人公が異世界に残るかどうか選択肢があり、帰還エンドも胸キュンするシーンがあるので、1度は心を鬼にしてぜひ。いつも大人ぶって格好付けてる割に、嫉妬する姿は年齢相応なのが可愛い。どうでも良いが、妖刀の持ち手が握るには痛そうなデザインなのが気になる笑

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↑ターラのこんな表情がみられるなんて…!

 

 

黒田長政

 黒田長政は主人公に対し神子としての覚悟を見定め、ようやく八葉として神子を認めるようになる。ずっと子供扱いしてくる長政に主人公は対等な立場となって彼と本音で語りたいと願う。だが、黒田家当主と八葉の神子、それぞれに果たすべき務めと立場があり、主人公はいずれ元の世界に帰る身。それが分かっているからこそ、長政は一線を越えようとしないのだった。

 富士で龍脈を浄化できたものの、龍脈の暴走により元の世界へ帰還できず岐阜城で暮らしていると、大阪で南蛮怨霊が発生。カピタンは怨霊退治により、淀殿の信頼を得て大阪城に出入りするようになり、さらに九州まで手を広げていた。カピタンは町人や長政の若い家臣を洗脳して軍隊を作り、日本全国を支配しようと企んでいたのだ。

 カピタンのいる瓜生島へ乗り込む前、お互い命を落とさず再会できるよう、主人公は縁結びのお守りを長政に渡す。一旦カピタンを退けるも、今度は戦となって、長政と敵対し岐阜城が攻められてしまう。降伏の条件として、なんと長政は主人公の身柄引き渡しを要求。安全な場所へ預けられるも、関ヶ原の合戦にカピタン操る南蛮怨霊の気配から、主人公は長政の元へ向かうが…?

 

 うーん、策士!自身の戦功から、主人公を人質にして家康の養子とし、結婚するだなんて。お守りを2人で分け合ったから、敵対し長期間離れ離れになるかと思いきや即一緒になるなんて、驚きの展開だった。主人公を人質として抱え上げるシーン、主人公の顔がとても可愛い。あれほど主人公を子供扱いし、家柄の違いだの現実的だった彼も、最後は素直な気持ちを告白してくれるので、エンディングで思いの外甘く感じた。

 兼続と同様に、最初は簡単に主人公を神子として認めないのも大人的で良いなあとも。

 このルートだけ露骨なふわラテのステマが気になるが、甘そうなコーヒー好むあたり甘党なのかな。

 

 

直江兼続

 直江兼続は上杉の執政として最優先は民で、主人公のことを神子として認めてくれず、自身が八葉として欲しければ口説けと茶化す。ある茶会で嵌められた兼続を主人公は機転を利かせて救ったことで、ようやく彼は主人公を認めるようになる。

 富士で龍脈を正すことに成功するが、主人公は元の世界に帰れなくなってしまい、兼続は想いを伝え米沢で生涯共に暮らすことを決める。カピタンは石田三成に接近するも断られ、三成と兼続に恨みを持つようになる。そして着々と世間は戦の準備が整えられ、徳川家康は兼続へ謀反を疑う。

 戦を避けたい気持ちから、家康の誤解を解くために主人公は単身で自ら直江状を届けたが、書状が差し替えられ 戦が始まってしまう。元の世界から持ち出したカメラ等を使い、岐阜城を必死に守り抜いても、大垣城が陥落し関ヶ原の戦いに。三成軍有利かと思いきや、カピタンの策略で敗北し、さらに三成は殺害されてしまう。直江状の誤解が解け、家康は主人公と八葉に、国を乗っ取ろうとするカピタンの討伐を命じるが…

 

 個別ルート開始時点で既に両思いで、積極的に文明の利器を使って歴史を変えようとし、石田三成の殺害方法が酷くて心を抉られる辛い展開等、このルートだけかなりストーリーが特殊。でもその分面白い。歴史を変えようと動いて(結局やっぱり何してもダメなのだけど)、もしかしたら歴史を変えられるかもしれないというワクワク感がたまらない。

 インテリな兼続につき、主人公の返答も上手い切り返しが求められ、会話のやり取りも楽しかった。現代に興味津々で、自分の国に役立てようと考えるのも彼の良いところ。特徴的な語尾の〜だぜ、も格好良いんだよね。ボイスがマッチしてる。

 さすが愛の兜を持つ兼続なのか、他のキャラより甘いストーリーだった割に、スチルは種芋や稲穂に喜ぶ姿だったりと、確かに彼らしさ溢れるイベントではあったが、もう少し甘々なイラストが見たかったような。

 

 

阿国

 主人公は度々夜になると不思議な青年コウに出会った。彼はいつも暗い表情をし、涙を流していた。正体は阿国で、明るい舞を披露していた時とのギャップに驚くが、変わらない優しさを持っていたため主人公は納得する。ある日主人公は過去に明智光秀の息子、光慶と許嫁の関係にあったことを思い出す。明智一族は滅び、親である織田信長を殺された因果関係があっても、彼の行方が気になるのだった。

 富士で龍脈を正した後も大阪で怨霊が発生したため浄化に勤しむ日々の中、気を塞いでいるガラシャのために阿国の舞を見せることになる。ガラシャ明智光秀の娘であるため、光慶の行方を聞こうとするも阿国に阻まれるが、ある夜に夢でうなされる阿国を見つけ、主人公はその夢を垣間見て知る。阿国の正体が光慶で、かつて一族が滅ぼされた時に家臣から復興を願い生かされたのに、何もできずに苦しんでいたことを。彼は戦を嫌い、正体を隠し舞で生きる優しい青年だった。

 ガラシャ石田三成から人質として狙われたため自害を図ろうとしたところを、阿国と共に止める。そして平島義近がこれまでの怨霊を生み、足利家再興を企んでいたことが発覚する。義近は明智光秀を怨霊として呼び出してくるが…!

 

 主人公の強靭な精神力と阿国の繊細さ、どちらの魅力溢れるルートだった。主人公は神子として頼もしい限り。阿国は武将を辞めて正解、あれほど涙するデリケートな一面を持つからこそ、美しく舞える芸術家タイプじゃなのだと。毎夜苦しむ彼がようやく眠れるようになって安心した。

 過去のことだから許嫁はあまり関係なかったけれど、明智光秀の息子が阿国として身を隠して生存していた設定は意外性があったし、再興を耽々と狙うキャラではなかったのも良かった。

 平島義近がラスボスで、まさかのここで足利家出てくるとは思わなかった。多くを犠牲にしても家の再興を願う義近とただ平和を願う阿国。見事な対比。

 

 

柳生宗矩

 徳川家康の隠密である宗矩は鬼の末裔で、敵から襲撃を受けることが多く、いざという時のため、主人公は宗矩から鳥笛を受け取る。宗矩と同郷の鬼ターラは人間を滅ぼすため、主人公の持つ神子の力を奪おうと何度も襲撃してくる。宗矩は過去にターラを助けたことで、結果的に彼女の人間に対する憎悪へ繋がり後悔していた。

 戸隠山に潜むターラに呪具を使われても後一歩のところまで追い詰めるが、ターラを殺すことを躊躇う宗矩。その後富士で龍脈を正したものの、ターラの策略で宗矩は大垣城で捕まってしまう。主人公は鳥笛を用い、織田秀信や五月らと共に彼を救い出し、宗矩の故郷へ鬼の呪具について調べに行く。

 宗矩はターラと戦う覚悟を決め、柳生家の宝刀を手にするが、戦が始まってしまう。宗矩の話から信秀は家康側に付くことを決意し、関ヶ原の合戦が始まる。ターラは自身を媒介に怨霊を生み出そうとしていたため、宗矩はターラの恨みを切り成仏させる。だが、大量の怨霊が生まれ続け、主人公は龍神に願い浄化するが、龍神に取り込まれて消えてしまい…?

 

 一族の復興のために他者を頼らず孤独に突き進んでいた彼に主人公は安らぎを与え、最後に主人公を救うため剣の達人に至る。所々史実に絡ませたストーリーになっていて、良くできていたと思う。

 青龍組のルートでの真相から、ラスト主人公は龍神に取り込まれたのではなく龍神本体に戻っていたのを宗矩の一刀で取り戻したということか。宝刀と宗矩の力があってこその結末だね。

 本ルートはひたすらターラと追いかけっこの繰り返しでちょっと疲れた。しかも宗矩は何度も止めを刺さずにいたのに、結局ターラは死ぬしか無かったのは悲しい。宗矩の手紙(ラブレター)が達筆すぎて主人公には読めず、武蔵に皆の前で読ませるシーンは笑った。

 

 

攻略情報

 各キャラ攻略するにあたり、人物情報からフラグを確認できるので、その通り辿れば問題ありません。戦闘の召喚技は入手できても、集中力を多数要し使い勝手が悪いので、使う必要性はあまり無いです。

・ノーマルエンドは、龍脈を正した後、そばにいて欲しい人物につばきさんやあやめちゃんを選択します。

・大団円エンドは、全キャラ攻略後に初めからスタートし、誰ともフラグを立てず5章の霊峰富士で龍神再臨に向かうのが最も簡単です。もしフラグが立っていた場合は、吉田にて全てやり切ったか聞かれた際に、思い残すことはない→富士山へ向かうを選択します。その後の選択肢はどちらを選んでも構いません(毎度呪詛で失敗していたところを大団円では成功になります)。なお、大団円ルート解放後にフラグを立てたキャラと恋愛を進めたい場合や、ノーマルエンドに行きたい場合は、全てやり切ったか聞かれた際に、まだ名残惜しい…を選択しないと大団円に進んでフラグが折れるので注意です。

・回想録は全キャラ周回すれば基本的に埋まりますが、一部共通ストーリーが埋まらないことがあります。これは該当のシーンが共通ではなくキャラのイベントで発生してしまい、埋まっていないことが原因です。そのため恋愛フラグを折ってストーリーを進めれば解決します。例えば、回想録98と99はターラの襲撃と関係しており、宗矩のフラグを折っていないと見れません。

・戦闘のコツについて、雑魚戦は円陣を回して相性の良いキャラを出し、主人公から集中力を与えて全体攻撃をひたすら撃ちます。なお、キャラのレベルが上がれば、同属性でさえ無ければ相性気にせずゴリ押しできるようになります。ボス戦は、もし宗矩を使えるのであれば、相性気にせず宗矩の技「点穴」を連発して即死を狙いましょう。宗矩使用不可の場合は雑魚戦と同様です。

・5章で主人公が富士で呪詛を受け真田庄で静養した後、真田の庄エリアの真田邸で幸村と五月の技「降三世明王呪」、神川で大和と武蔵の技「軍荼利明王呪」、長谷寺で長政と兼続の技「大威徳明王呪」、上田城阿国と宗矩の技「金剛夜叉明王呪」を入手できます。八葉同士の絆が3以上必要です。

・5章で主人公が再度富士を登ることを決心した後、信濃エリアの浅間山で朱雀召喚を、諏訪で玄武召喚を、甲斐エリアの天目山で青龍召喚を、青木ヶ原樹海で白虎召喚を入手できます。主人公と八葉の絆がそれぞれ5以上必要です。

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↑なぜかボスにも効く即死攻撃、さすが元鬼の一族!