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乙女ゲームの感想や攻略ブログです

Nintendo Switch「VARIABLE BARRICAD NS(バリアブルバリケード ニューステージ)」感想

Nintendo Switch「VARIABLE BARRICADE NS(バリアブルバリケード ニューステージ)」の感想です。  

 

 

 

 

 

作品概要 

VARIABLE BARRICADE NS

VARIABLE BARRICADE NS

  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Video Game
 

機種: Nintendo Switch ※VITA版の移植作品

作品名: 「VARIABLE BARRICADE NS(バリアブルバリケード ニューステージ)」

CERO: B(12才以上対象)

あらすじ: 名門東条家のお嬢様である主人公の目の前に4人の見知らぬ男性が現れ、突然のプロポーズを受ける。彼らは祖父が選んだ花婿候補達で、この中から結婚相手1人を選ぶため同居生活が始まって…?

 

 

参考情報

キャラ別タイプ

・主人公(CV:藤田咲)…優等生、強気、ウブ

・光森壱哉(CV:鳥海浩輔)…女性慣れ、ギャップ、年上

・石動大我(CV:岡本信彦)…俺様、強引、常識的

・黛汐音(CV:野島健児)…美人、甘い、マイペース

・八神那由太(CV:下野紘)…犬、猪突猛進、鈍感

・春日(CV:田丸篤志)…執事、冷静、執着

 ※主人公のボイスはオフ可能、一部人物には兄妹要素あり。

 ↑多大なネタバレにつき、白字で伏せていますので、知りたければ反転してください

 

攻略推奨順

 光森壱哉→石動大我→黛汐音→八神那由太→トゥルー
 (トゥルールートは春日中心のストーリーで、攻略制限あり)

 ※花婿候補4人は誰から攻略しても問題無いが、ストーリーのバランス的には上記がおすすめ。

 

オススメポイント

 ・ひとつ屋根の下で花婿候補達と送る生活!

 ・一風変わったキャラばかりのラブコメディ!

 ・優等生な主人公の初恋に悩む姿が可愛い!

 ・多数の美麗なスチルとSDイラストで盛り上がる!

 

攻略目安時間

 フルコンプまで20時間程度
 (エンド数は花婿候補各4、バッド2、トゥルー1)
  ※ボイスをある程度飛ばしてプレイする場合

 

糖度

 まあまあ(結婚相手を決めるため恋愛が話の中心)

 

難易度

 普通
 (2択で恋愛値か理性値が変動し、バリケードバトルの結果によってエンディング分岐)

 

評価 65/100

 公式ホームページでのキャラ紹介の時点で結婚詐欺師だのヒモだの衝撃的フレーズが並ぶ通り、ラブコメディらしく変わった人物が多く、恋愛に消極的な主人公が変わっていく過程も楽しめる作品。序盤は男性陣からのアプローチがすごいが、嫌がる主人公に対し次第に彼らの態度も落ち着くようになるので、ひたすら迫ってくる相手を振りたいだとか、主人公を巡る男性陣のバトルを楽しみにしていると肩透かしを食らうかもしれない。

 移植にあたり、スチルやオマケ要素がボリュームアップしており、VITA版をクリアした方向けにフルオープン機能で全コンテンツ解放も可能になっている。スチルが綺麗なうえに、SD含めると数も多いのは気分的にも盛り上がる。

 果たして花婿候補の4人は主人公の家柄や金目当てではないのか?確かに裏がある人物もいるが、それはぜひプレイして確かめよう。執事の春日は攻略対象と断言して良いかは微妙だが、4人の候補者達クリア後のトゥルーエンドで楽しめる。

 

 

感想(ネタバレ注意)

ストーリー感想

 個別ルートによって話が全く異なるが、どのルートであっても皆仲が良く、選ばれなかった男性陣は主人公と彼との関係を応援してくれる。ギスギスされるよりマシで微笑ましくも思えるが、せっかく花婿候補同士ライバルであるのだから、多少は主人公を取り合って欲しかった。

 主人公は初めのうちは心を頑なに閉ざして本当に恋愛できるのか心配になったが、個別ルートから変わり始め、初恋に悩みつつもルートによっては相手よりも積極的になっていく。すぐ両思いになったら話が続かないので仕方ないとはいえ、その代わりに多くの花婿候補が中盤で身を引く展開が多いのが少し残念。また、花婿候補のうち2人は裏の目的を持っていたが、結局のところ祖父が見極めて選んだ人物なので悪い人物ではなく、自ら道を切り開いて花婿候補以外との恋愛ができなかったのが少し物足りなくもある。

 各キャラクターの信用調査による衝撃の事実については、どうせ春日が誇大に話を盛ったのだろうと考えていたが、恋愛詐欺師→当たり、ギャンブラー狂→少し違う、ヒモ→当たり、歩く借金製造機→割と本当、と大半が事実で驚いた。個人的にはちょっとなあ…と引いてしまった部分があったものの、あくまでもラブコメディなので、深いことは気にせず破茶滅茶な展開を楽しむべきだろう。

 RABIとWHISはもっと見たいと思うくらい、普段見れない彼の姿やチャットのやり取りができて面白い試みだった。

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↑ステータス画面で現在の恋愛値と理性値を確認できる(恋愛値高いほどウェポン強化、理性値高いほどバリケード強化)

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↑各バリケードボードの最後に始まるバリケードバトル、バリケードを破って主人公の心を開け

 

 

イラスト感想

 移植にあたりスチルが追加されているせいか、スチルの枚数がたくさんある。欲しいシーンには全てスチルが用意されていると思って問題ない。ギャグシーンもコミカルなSD絵のおかげで盛り上がる。

 男性は皆格好良く、女性は皆可愛く、ただスチルを見てるだけでもうっとりして飽きない。漫画チックな塗りは好みあるかもしれないが、ギャグテイストな作品としてマッチしていたと思う。

 汐音だけちょっと変わった髪型でたまに気になるけど、どのスチルも本当に綺麗で、画集が欲しいくらい好き。

 また、エンディングがちょっと変わった演出で、ラブコメらしく最後まで可愛かった。

 

 

システム感想

 本作の特徴であるバリケードボードは正直なところ使い勝手がイマイチで、チャートが分かりにくいうえ、ストーリーがいちいち途切れて面倒なため、エンディング回収時以外は連続プレイを推奨する。フローチャートとしては自由に好きな場面からやり直しできないのが欠点ではあるが、イベントスキップが可能で恋愛値を上げるか理性値を上げるかも選択できる。なお、連続プレイにもデメリットがあって、トップページに戻らないとRABIやWHISが読めないため、実質クリア後にまとめて読む形になってしまうのが悩みどころ(オプションから途中で切り替えは可能だが大変)。

 次の選択肢までジャンプする機能が無いものの、2周目以降は初回のバリケードバトルの結果を選択して共通ルートを丸ごと飛ばすことができるし、前述の通りバリケードボード上でのイベントスキップができて周回は楽。

 あと気になるのはRABIのルート選択が実質無意味(1周すれば選択したルート関係なく全て回収できる)なこと位で、スキップは高速で、オプション機能も充実しており快適。フルオープン機能は、クイズ形式で色んな答えを入力して彼の反応を見るのも楽しみの1つ。

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バリケードボード、カラーのマスが今読めるシナリオ

 

キャラ別ストーリー概略&感想(ネタバレ注意)

光森壱哉

 光森壱哉は毎日の料理を担当し、女受けするモノよりも主人公の好みのモノを作るようになり、少し気持ちが通じ合えたかに見えた。祖父の命令により、光森壱哉を仮の婚約者として選択しても、相変わらず壱哉は歯が浮くような台詞ばかりで本音が見えない。

 そしてデートで主人公の初キスを強引に奪って怒られ、意外にも壱哉は部屋に引きこもって泣いてしまう。彼の弱い姿を自分だけに見せてくれたことでトキメキを感じた主人公だったが、壱哉の双子の兄の千哉が現れ、新たな花婿候補として参戦してくる。実は繊細な壱哉は何でも完璧にこなす千哉に対し幼い頃からコンプレックスを抱き、居場所を作るために女性受けする言動を身に付け、かつて家のために結婚詐欺未遂まで起こしたのだった。

 それから壱哉は主人公に想いを込めて何度告白しても、彼は愛されたいから自分を愛そうとしているのではないかと、主人公は踏み出せずにいた。ついに主人公の婚約発表日が来てしまい、千哉との婚約を阻止するため、壱哉は主人公を連れ去って、崖の上で「君がいないと生きていけないんだ!」と泣き叫びながら死を選ぼうとするが…!?

 

 こうやってストーリーを文字に起こすと、ラブコメディだなとしみじみ思う。特に最後の崖の上でのやりとりは全くシリアスではなく笑

 初めての恋で相手が自分を選んでくれる理由にこだわるのは仕方ないのだろうが、主人公はどうしたいのか(彼を好きなのか)がずっと気になった。壱哉の生い立ちのせいで不安になるのも分かるけど、自分がどうしたいのかが1番かなと。

 しかし、壱哉のあれほど中身のない甘い台詞で、今まで多数の女性を落としてきたのが不思議でならない(その後結局振られてるけど)。顔さえ良ければ、ってやつなのかな?彼の泣き顔により本来の姿を見ることができて、主人公は少し引きながらも優しく受け入れていたが、皆さんはどうだった?私は自分の心の狭さを痛感させられたよ…笑

 

 

石動大我

 大我は俺様な性格で主人公をからかってばかりだったが、自身のいた孤児院の子供達への意外な一面を見せる。そこで主人公は仮の婚約者として大我を指名したところ、何と彼は監視役目として花婿候補のフリをしていた祖父の友人だと発覚した。祖父は彼を気に入っており、花婿候補としても問題ないと言うが、逆に主人公は同居する男性の中で唯一心を打ち明けられる存在として喜ぶのだった。

 それでも主人公に次第に惹かれていた大我は、花婿候補として見て欲しいと宣言、主人公も段々と恋を自覚し、孤児院の子供達を見て福祉に興味を持つようになる。ところが、初恋による主人公からの盲目的信頼と依存が見え始め、耐えきれなくなった大我は不安から姿を消してしまう。反省した主人公は毎日WHISを送り続け、ついに大我は一発逆転の賭けに出るが…?

 

 大我が監視役を辞めて主人公へ攻略を宣言する時がこのゲームで1番ドキドキしたなあ。だからその後主人公から身を引いてしまうのが残念だった。もちろん大我が不安に思う気持ちは分からなくはない。だって名門の東条家の1人娘で将来的に家を継ぐ相手と、一方で孤児院出身で無職放浪している自分なんて、釣り合いを考えると常識的な彼は確かに身を引きたくなって当然。それでも攻略宣言する前に覚悟を決め、主人公からのプレッシャーもドンと受け止めて欲しかったな。

 このルートだけ主人公が将来の夢を持てて、人間的にも成長するのが非常に印象的。お互いを高め合う存在として、2人の相性は良いのかも。

 

 

黛汐音

 自分のやりたい事しかしない汐音は、これまで大量のパトロンがいたが、今は主人公だけだと言う。祖父へ仮の婚約者として、気になる存在になっていた彼を選ぶことにする。

 ある写真展で一際目を引く天使ような美少年の写真を見つけ、そのモデルの正体は汐音で、以降はモデルを辞めて人から求められるまま過ごしていたことを知る。疲れた心を癒すかのように、主人公を日々優しく抱きしめ甘やかしてくれる汐音へ居心地の良さを感じていたのに、才能のある彼が働きに出ないことをつい責めてしまう。せっかく好きで側に居たいと言ってくれた汐音だったが、それからは主人公から距離を置き、モデルとして忙しく活躍するようになる。

 せっかく自分の発言から変わったはずの彼の活躍を喜べず、むしろ人気が出るほど、寂しさと独占欲から心が苦しくなっていく。そして汐音が仕事としてCMで共演者とキスする話を聞き、主人公は気持ちを抑えきれず走り出す…!

 

 ヒモな人物がまさか乙女ゲームの攻略対象にいるなんて衝撃的だった。春日がただ大袈裟に言っただけだろうと思ったら本当(マジ)だったという。

 汐音は主人公の心を癒してくれるのは良いのだけれど、もし仮に東条家が潰れたとして、彼も働かなくてはいけなくなった場合に、変わらず一緒にいてくれるのかが気になった。主夫もダメだし。働くのが嫌で貧乏な生活耐えられなさそうだから、他のパトロンのところへ行きそうなのが怖いなあ。主人公も汐音に働いて外へ出るよりも、ずっと側に居て欲しいと願うのは少し依存気味で不安。

 本編でやり取りがあった通り、主人公をただ甘やかすペットのような存在だからこそ、厳しい春日の存在は必須だね。春日によって主人公は立派な女帝になり、プライベートでは汐音に癒される生活になるのだろうな。

 

 

八神那由太

 那由太は、人から騙されやすく怪しい物を買い、街中で物を壊しては借金を増やしていく。まだ恋愛対象には思えないものの、純粋で最も信頼できる那由太を仮の婚約者に指定。

 防犯上の観点から那由太を主人公の護衛役としたところ、仕事時の彼は普段と違い冷静かつスマートで、驚きの一面を知る。ボディカードとの恋愛に憧れていた主人公は、ついに彼を婚約者として認めるも、なんと本人はただの護衛希望であって花婿候補では無いと言い出す。そのうえ超絶鈍感で主人公の気持ちに気付かず、周囲が那由太の恋心を確認しようとしても失敗に終わるのだった。

 だが、とある映画のキスシーンに触発され、那由太は主人公を見るたび胸が苦しくなって、仕事を失敗し護衛役を解任されてしまう。さらに婚約者選択のタイムリミットが来てしまい、祖父が勝手に婚約者を決めて今度婚約披露パーティーを開くことに。ようやく気持ちを自覚した那由太は、主人公を救いに行くが…?

 

 これほど人の気持ちに鈍感なキャラは初めて見た。このゲームの人物は本当に個性的でぶっ飛んでる。他のルートに比べると、こんな彼なので当然主人公から押す展開になるが、全然発展しそうに無くそんな主人公が可哀想すぎて…顔面殴りたかった笑

 多少の鈍感は許せても、1ミリも相手の気持ちを考えたり気遣えたりできないと、人間としてまずいなと反面教師として教えられた感じがする。純粋で悪気がなかったとしても。自分の気持ちに素直な子供は綺麗だけど、大人になって相手を思いやる気持ちを持てるようになるのは素晴らしいことだよ。

 他のルートでも主人公の足にひたすら踏まれたがっていて不思議だったが、ただのMなのではなく、出会いがキッカケだったのか。人間とは思えないほどの頑丈さをしてるから、マッサージとして良い感じなのかな?

 

 

春日

 主人公は、幼い頃より事故で親を失った孤独の中、ずっと支えてくれた執事の春日に誰よりも信頼を置いていた。ところが、祖父から衝撃の事実を聞かされる。実は実家から駆け落ちして事故死したと思っていた親は生きていること、春日は実の兄のツバメであることを。

 主人公が生まれてすぐツバメは親を排除してまで世話を独占し、異常なまでに執着する姿に悩んだ家族が東条家の実家に主人公を預けよう考え、ツバメが阻止しようとしたところ主人公のみが事故に遭い記憶を失っていたのだ。その後無事東条家に預けられた主人公だったが、数年経っても家に馴染めず孤独だったため、ツバメは自分の名前を捨ててまでも執事として現れたのだった。

 本人に問い詰めると春日は逃亡、後日主人公を迎えに行くとメッセージが届く。当日、海外へ一緒に逃亡を図ろうと主人公を連れ去るが失敗し、その際主人公は失っていた記憶を取り戻し…?

 

 …というわけで、春日は兄妹につき恋愛できない。一応兄と仲良しデートは後日談から楽しめる。共通ルートや他の男性陣を攻略する中で、主人公がどれほど春日を信頼しているかや、春日から主人公に対する愛情(兄としてだったのだが)を感じていただけに攻略できないのはショックだった。祖父が決めた人物以外と恋愛するルートがあると勝手に思い込んでいただけに…しかもデートのスチルの表情可愛すぎて辛い。

 彼が重度のシスコンで喜んだ方と私のように悲しんだ方、どちらが多いのだろう。ラブコメディと考えれば、確かに落とし所は悪く無いんだよね。兄でシスコンだから異常な執着性を見せていた。これが赤の他人だったら怖いものね。

 本ルートでは祖父がこのゲームで1番のツンデレキャラだと発覚するのは面白かった。4人の候補者達を攻略する中で、主人公の想像と違い祖父が悪い人では無かったのは分かってはいたが、実は主人公を最も溺愛してて誰よりも1番可愛いキャラなのでは。

 花婿候補者達とこれからも仲良く暮らせ、家族も健在であることが分かり、主人公が最も幸せに終われてトゥルーエンドとしては満足いく内容だった。

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ツンデレな祖父の言ってることと思ってることが真逆で、作中で1番笑ったかもしれない。

 

 

攻略情報

 花婿候補4人攻略後、トゥルーエンドが解放されます。

・マリーエンドは、最初の選択肢で各キャラの薔薇を選ぶだけです。残りの花婿候補のエンドは各バリケードボードを、恋愛か理性か調整すると変わります。

ラブエンド→恋愛-恋愛-恋愛

バッドエンド→理性-恋愛-理性

アナザーエンド→恋愛-恋愛-理性

※ラブとバッドは最後固定で上記以外の組み合わせでも行けます

・共通ルートのバッドエンドは、祖父から1人を選ぶよう求められた時に、選べないを選択します。もう1つのバッドは、1つ目と2つ目のバリケードボードで理性の選択をするといけます(どのキャラルートでも可)。